【相談事例】ポータブルスキルを見つける!職歴の一貫性のなさを乗り越え、強みを見つける方法

個別キャリア相談の事例

こんにちは! 札幌のITキャリアコンサルタント、佐々木です!

日々、職業訓練校や個人のキャリア相談で多くの方の「転機」に伴走していますが、最近特によく耳にするのがこんなお悩みです。

「未経験からWebデザイナーになりたくて勉強を始めたけれど、書類選考で落ち続けてしまう……」

「これまでの職歴に一貫性がなくて、履歴書の空白期間もある。アピールできる強みなんて一つもありません」

自分の経歴に自信が持てず、就職活動の出口が見えなくなると、本当に苦しいですよね。

今回は、そんな深い悩みを抱えながらも、面談を通じて「自分らしい働き方の軸」を見つけ、前を向いて歩き始めたある相談者さんの事例をご紹介します。

いま、同じように「自分には強みがない」「何に向かって進めばいいかわからない」と焦っているあなたのヒントになれば嬉しいです!

<相談者の状況>

※個人情報の観点から、複数の事例を統合し一部脚色しています。

  • 年齢・性別: 30代後半・男性(佐藤さん・仮名)
  • 経歴: 不動産営業2年、コールセンター契約社員5年、IT事務派遣など非正規雇用を転々とし、直近で数ヶ月の離職期間あり。
  • 希望職種: Webデザイナー、Webディレクター、または一般事務
  • 悩み: 職歴が多く、正社員経験がないことに強いコンプレックスがある。
    未経験からWeb業界を目指して職業訓練校に通っているが、書類選考が全く通らず、精神的にも自信を喪失して焦っている。
書いた人
佐々木駿

IT関連の職業訓練校・キャリアコンサルタント。転職の面談・書類添削など実施。副業でライティングもしている。読書やサウナ、ボードゲーム好き。2024年5月に国家資格キャリアコンサルタント、2025年3月に生成AIパスポート、G検定の資格取得。

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経歴に一貫性がないから受からない?

佐藤さんがカウンセリングルームに入ってきたとき、表情はとても硬く、心なしか肩をすくめて怯えているように見えました。

(何か大きな不安を抱えているな……)と、直感的に感じたのを覚えています。

佐藤さんは、Webデザイナーを目指して職業訓練校で熱心に勉強を続けていました。

しかし、いざ就職活動を始めてみると、待っていたのは厳しい現実でした。

「佐々木さん、もう20社近く応募したんですが、面接に進めたのはたったの1社だけなんです。他の会社からは不採用の通知すら来なんです…。」

自分の経歴じゃ、やっぱりWeb業界なんて無理なんでしょうか」

佐藤さんは、ぽつりぽつりと話し始めました。

職歴に一貫性がない。面接が怖い

「履歴書を書こうとしても、非正規の職歴が細切れになっていて、一貫性がありません。
直近の離職期間の理由を聞かれたらどうしようと考えると、応募ボタンを押すのすら怖くなってしまって」

「面接の練習をしても、緊張して早口になってしまって、自分が何を話しているのか分からなくなるんです」

私は佐藤さんの話を遮らず、まずはその焦りと不安に耳を傾けました。

「20社も応募して、行動し続けているのは本当に素晴らしいことですよ。でも、書類が通らないと、自分自身が否定されているような気持ちになりますよね」

「そうなんです……。最近は夜もあまり眠れなくて、家で一人で求人サイトを見ていると、なんだかもうどうでもよくなってしまうというか」

「自分がおかしいのか、世の中がおかしいのか分からなくなって…」

佐藤さんはそう言って、うつむいてしまいました。

未経験からのキャリアチェンジ、特にWebデザインやIT事務といった人気の職種は、応募者が殺到するため、経歴の「見た目の綺麗さ」だけで機械的に書類選考で落とされてしまうケースが少なくありません。

ましてや、30代後半で実務未経験、職歴が非正規メインとなると、一般的な採用ルートでは突破口が見えにくくなるのが現実です。

佐藤さんは「夢に向かって頑張らなければいけない」という思いと、「現実が全くついてこない」というギャップの板挟みになり、心身ともに限界を迎えていたのです。

「本当に手に入れたいものは何か?」優先順位を整理する

佐藤さんが、今回の転職活動で
『これだけは絶対に譲れない』というトップの目的は、何ですか?

「えっと……それは、Webデザイナーになってクリエイティブな仕事をすること、ですかね」

「例えば、Webデザイナーになれたとしても、残業が毎月80時間あって、同僚がどんどん辞めていくようなブラックな環境だったらどうでしょう?」

「それは……嫌です。体調を崩してしまいます」

「ですよね。じゃあ、佐藤さんが一番求めているのは『Webデザイナーという肩書き』なのか、それとも『安心して長く働き続けられる環境』なのか、どちらでしょう?」

優先順位ではなく1位を決める

佐藤さんはしばらく考え込んでから、ぽつりと答えました。

「……正社員として、長く安定して働きたいのが一番です。
今までアルバイトや契約社員ばかりで、周りの人に自分の仕事を胸を張って言えないのがずっとコンプレックスでした」

「だから、次は絶対に正社員になって、腰を据えて長く活躍したい。それが僕の理想のトップです」

多くの人が、「やりたい職種(Webデザイナーなど)」を就職活動の最優先目標に掲げがちです。

しかし、その奥にある「なぜそれをやりたいのか」「どんな生活を手に入れたいのか」を深掘りしていく。

本当に譲れない条件(正社員、安定、働きやすさ、体調維持)が別にあることが分かります。

佐藤さんの場合の最優先事項は「正社員として長く安定して働くこと」と「コンプレックスの解消」でした。

目的の「1位」が明確になれば、それに向けた手段(職種や雇用形態の選択肢)は、必ずしもWebデザイナー一本に絞る必要はなくなります。

経歴のポータブルスキルを見出す

「正社員として長く働きたい」という佐藤さんの本音が見えたところで、次は彼が「アピールできる強みなんてない」と言っていた職歴の棚卸しを行いました。

これまでのコールセンターやIT事務の経験の中で、
周りの人から感謝されたり、
自分なりに意識して取り組んでいたことはありませんか?

「うーん、大したことじゃないんですけど……。
直近のコールセンターでは、単に言われた作業をこなすだけにならないように意識していました。

後輩が入ってきたときは、マニュアルを分かりやすく書き直して、育成や管理のサポートも任せてもらえるようになったんです」

「それ、めちゃくちゃすごい強みですよ!」

僕は思わず声を大きくしました。

「えっ、そうですか? 誰でもできることだと思っていました」

「全然そんなことありません。多くの企業が中途採用で求めているのは、指示待ちの作業員ではなく、『自分で考えて周りをサポートできる人』です。

佐藤さんが後輩の育成を任され、業務改善を意識していたという事実は、職種が変わってもそのまま活きるポータブルスキルなんです」

ポータブルスキルは、エピソードトークで

佐藤さんの職歴は一見するとバラバラに見えますが、細かく見ていくと「周囲とのコミュニケーションを大切にし、主体的に環境を良くしようとする姿勢」が一貫していました。

これを職務経歴書にどう表現するか。

単に「コールセンターで受発信業務」と書くのでは、伝わりにくいものになってしまいます。

「業務効率化のためにマニュアルを整備し、後輩3名の育成管理」というように、具体的な行動と成果に書き換えるアドバイスをしました。

スキルを掛け合わせる

さらに、方向性についても少し視野を広げる提案をしました。

これまでの『コールセンターの経験』や『事務のスキル』に、
職業訓練校で学んだ『Webの知識』を掛け合わせたらどうでしょう?

「例えば、Webデザインができる事務職や、コールセンターを運営する会社のWeb担当、あるいはWeb制作会社のディレクター候補など、選択肢は一気に広がります」

「なるほど……。Webデザインだけをやるデザイナーじゃなくても、自分の過去の経験と掛け合わせれば、正社員への道が見えやすくなるんですね」

一つのものにこだわりすぎない

「あとは、最初から正社員にこだわって動きが止まってしまうくらいなら、まずは時間の融通が利き、業務内容が明確な『派遣』からスタートして実績を作る。

そこから社員登用を目指すルートも大いにアリです。雇用形態のこだわりを少し緩めるだけで、心にかかるプレッシャーも全然違ってきますよ」

「まずは小さく実験する気持ちで応募していきましょう。結果が悪ければ、またその時に一緒に考えればいいだけですから」

ITキャリアコンサルタント佐々木の目

今回の佐藤さんの事例から、職歴に自信が持てず、転職活動で立ち止まっている方へ伝えたいポイントは以下の3点です。

1.  「やりたい仕事」にこだわりすぎず、優先順位の1位を明確にする

    「Webデザイナーにならなければ」といった職種のこだわりが、自分を苦しめていることがあります。

自分が本当に求めているのは「安定」なのか、「働きやすさ」なのか、それとも「スキルの習得」なのか。

目的の1位を明確にすることで、選ぶべき道がクリアになります。

2.  バラバラな職歴の中に「一貫した姿勢(強み)」を見つける

    「一貫性がない」と感じる職歴でも、それぞれの職場であなたが無意識に行っていた工夫や、周囲への関わり方にこそ、独自の強みが隠されています。

専門スキル(Webデザイン等)だけでなく、人柄や主体性といった「ポータブルスキル」を棚卸ししましょう。

3.  完璧を目指さず、雇用形態やルートの選択肢をフラットにする

最初から「未経験で正社員Webデザイナー」という難関ルートだけに絞る必要はありません。

派遣からスタートして実務経験を積む、前職の強みを掛け合わせるなど、多様なルートが存在します。まずは動けるサイズに目標を分解することが大切です。

もし、あなたも「自分の強みがわからない」「何に応募すればいいか迷っている」と一人で悩んでいるなら、ぜひ一度僕たちに相談してください。

綺麗なキャリアじゃなくても、あなたの歩みの中に、次のステップへ進むためのヒントが必ず隠されています。

まずは、肩の力を抜いて、雑談するような気持ちで壁打ちをしてみませんか?

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