こんにちは!ITキャリアコンサルタントの佐々木です。
今回の話は僕が以前に一緒に働いていた、50歳手前のオジサンの話です。
僕は、家電関係の商品の紹介文章を書く仕事をしていました。
始めに立場を整理します。
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WEB制作部→メンバーは僕を含め3名
経理→今回の問題のオジサン。立場は経営幹部
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このような関係性です。
今回はこんな話!
実体験をもとに書きました。
・上司が部下の手柄を横取りする
・失敗しても何もしない
・社長に仕事してますアピールがすごい
・立場に上下関係があるため、みんなオジサンに従わざるを得ない。
そうなると下の意見がつぶされ、不満が募る
オジサンは、自分の意見を通したい

今回の何を問題視しているのかというと、
WEB制作部の作るホームページに、経理のオジサンがダメ出ししてくるのです。
色んな意見があるのは当然なので、オジサンにも思うことがあるのはわかります。
ですが部署が違うのに、まぁとにかく首を突っ込んでくるのです。
最初は、「あのページだけど、こうしたほうがいいんじゃない?」くらいのものでした。
その意見は正しいものもあり、僕たちは黙って聞いていました。
そしてある時から、このように指示を出してきたのです。
「商品紹介ページのことだけど、
私もしっかり見たいので、公開前に見せてくれ」
WEB制作部の僕たちは、経営幹部のオジサンに言われたものですから、拒否もできず……。
僕たちは「公開前にオジサンに見せる」という、
こっちからすると余計な作業が発生したのです。
ここで言いたい問題は、オジサンに見せることそのものではないのです。
僕が問題視しているのは以下のこと。
・オジサンの指摘は自分の好みが9割
・人の手柄を横取りする
・立場に上下関係があるため、みんなオジサンに従わざるを得ない。
そうなると下の意見がつぶされ、不満が募る
>>働かないオジサンにイライラ。Z世代とのギャップ。多様性の時代に歩み寄れるのか?
オジサンの指摘は自分の好みが9割

「この説明文だけど、僕はわからないな」
「ここは、こう書いた方がいいんじゃないか」
オジサンはこんな感じで、10~30箇所は平気で指摘してきます。
このように話すと、
「そんなに指摘されるあなたの仕事が問題では?」
という意見があるかと思います。
確かに、「そんなに指摘されること自体が問題でしょ」という気持ちはわかります。
反論させてもらうと、まず部署が別です。
僕たちの部署には、部署なりのやり方があります。
それを知らずに
「ただ自分がわからないから」
「こうしたいから」
と、首を突っ込んでくるのです。
そしてオジサンは、経営幹部。僕たちの上司にあたります。
だからこそ、面と向かって文句は言いにくい関係性です。
あれこれ言われてしまうと、こっちは萎縮してしまうのですね。
「もういいから。あなたは黙って経理だけやってくれよ」
僕は、こんな風に思ったものです。
>>プライドが高い55歳・転職者の末路~あなたは会社の肩書がなくても生きていけますか?
オジサンの好き嫌いで振り回される悪夢

僕はWEBライターとして10年ほど経験があります。
なのでわかりますが、訂正は当たり前。
例えば、誤字脱字ですね。
これはもちろん、書いた僕たちが悪いです。
でも、一番直されて納得がいかないパターンは、個人の好みです。
「僕はわかりにくい」
「ここはこうした方がいいんじゃない」
チェックするだけのオジサンは、本当に気軽に言うわけです。
個人的な好き嫌いの訂正をされると、
書いた側としては「あなたのために書いた文章じゃないから」となるわけです。
それに好き嫌いで文章を直していると、永遠に文章って出せません。
十人十色と言いますが、好みは人に聞けば聞くほど出てきます。
みんなが好き勝手に「僕はこう思うよ」「私はこっちがいい」と言っていると、
誰に合わせればいいのかわからなくなります。
最後は、どうなるのかといえば、
立場が上の人間に合わせることになります。
>>【50代定年前の働き方】キャリアをリデザインして、モチベーションを上げよう!
意見が対立すると上司が強い

こうした状況になると、つぶされた意見を持つ下の立場の人たちは、納得がいきません。
今回の場合、経営幹部のオジサンの意見が採用されるわけです。
誤解のないように言うと、僕は「何でもかんでも直したくない」というわけではありません。
直す理由が、こういうものなら納得なのです。
「この書き方だと、お客様に伝わらないかな」
「こういう表現にした方が、売れると思うよ」
要は、自分の目線ではなく、見る人の目線のときです。
「ゴールは何なのか」「誰のための文章なのか」ということが、書く目的ですからね。
決して、上司の好みに合わせることが目的ではありません。
だから、オジサンの好き嫌いの訂正は、納得がいかないわけです。
社長に仕事してますアピール

そしてオジサンは、これだけでは終わりません。
僕たちが書いているのは、商品の紹介文章だといいました。
文章が公開された後、実際に商品が売れて、お客様からレビューをいただくことがあります。
例えば、Amazonや楽天に、お客様の声ってありますよね。
お客様の意見に、オジサンが指摘して直した箇所に対して「すごくわかりやすいです」という好意的なレビューが来ました。
すかさずオジサンは、社内で使っているグループLINEに、この意見のスクショを送ってきました。
「僕が指摘して修正した箇所に、こういうご意見が来ました」
という文章とともに……。ちなみにそのグループは、社長も見ています。
意見がたまたま一致しただけなのに…
僕は、こう思いました。
「なんであんたがドヤってんだよ」
「僕たちが直したんだし、『俺がやった』みたいな顔すんなよ」
「社長に、仕事してますアピールしたいのか」
何だかやりきれない気持ちになりましたね。
とはいえ、好意的なレビューをもらったことは事実ですから、
「そんなに言わなくてもいいんじゃない?」と思う方もいるでしょう。
今回のオジサンの場合、「レビューをくれたお客様とオジサンの意見が、たまたま一致しただけ」なんです。
なぜならオジサンの指摘の出発点が、お客様目線の訂正ではなく、自分目線の訂正だからです。
そしてレビューは、好意的な意見ばかりではありません。
僕たちにとって、厳しい意見というのも当然あります。
ここがまた一つポイントになるのですが、オジサンの指摘による修正で厳しい意見がきたとき、
オジサンは何もしないんです。
何かフォローするわけでもなく、次回はこうしよう、と対策をするわけでもありません。
何もせずただスルーします。
>>プライドが高い55歳・転職者の末路~あなたは会社の肩書がなくても生きていけますか?
他人の手柄は自分の手柄。失敗しても俺は知らない
僕が言いたい問題点を改めてまとめます。
オジサンからしてみると、悪いことをしているなんて、つゆほども思っていないでしょうね。
何なら「俺は経営幹部だし、会社のために言ってやってんだ」くらいに思っていることでしょう。
ドヤってスクショまで撮って、一斉に部署全員にLINEするくらいですから。
そもそも最初に文章を書いたのは、僕たちの部署です。
そして訂正も僕たち。
で、オジサンは、ただ指摘してるだけです。
しかも僕たちが散々オジサンに振り回されながら対応したのに、オジサンはそのことを何も言わず、
感謝もせず、ドヤって一斉にLINE。
しまいには、手柄を横取りしています。
なんか書いているだけで、やるせない気持ちになりますね…苦笑
何でオジサンは、こういうことをして平気な顔をできるのか、調べてみました。
都合の良いところだけ自分のもの
それは、本人に手柄を奪ったという意識がないからだ。
信じられないかもしれないが、このタイプは、自分にとって非常に都合の良い認知のゆがみにより、
ほんとうに自分の手柄だと思い込んでいるのである。だからタチが悪いのだ。
引用:他人の手柄を平気で横取りする人の「心理メカニズム」とは
『かかわると面倒くさい人』の著者、榎本博明さんは、このように指摘します。
僕は、「えっ、こんな人いるの?」と驚きました。
このような心理のことを、利己的帰属というそうです。
利己的帰属とは、うまくいったときは「自分の関与」=「貢献」を過大視し、失敗したときには「自分の関与」=「責任」を過小視する心理傾向を指す。
引用:同上
そして上記の榎本さんは、「上記のような人は自己愛が強く、自分にとって都合よく物事をゆがめて解釈する傾向がある」と指摘しています。
ちょっと信じられませんよね。
世界は、自分のために回っているとでも思っているのでしょうか……。
オジサンの心理状態
- 他の人が書いた文章を修正させる
- 商品が売れて、好意的なレビューをもらった
- オジサンは、「この商品は、俺のおかげで売れたんだ」と考える
- 「だからこれは俺の手柄だ」と過大解釈する
こうして冷静に見てみると、何だかゾッとしますね……。
そもそもですが、商品が売れる売れないは、文章だけではなく、商品そのものの良し悪しもありますよね。
それなのに、オジサンはドヤるわけです。
ちなみに僕は、もうオジサンのいる会社にはいないので、今はどうなっているのかわかりません。
きっとオジサンは、今でも変わらずにやりたい放題やっているのでしょうねぇ。