こんにちは!ITキャリアコンサルタントの佐々木です。
今回の話は、知人に聞いたから、以下のことを考えます。
・職場のコミュニケーション
・50代以降はプライドをすてる
・会社の肩書のない自分に何ができるか考える大切さ
知人の会社に55歳の新人が入ってきました。
その人が人間関係を悪化させやめざるを得なくなった話から、
考察していきます!
知人は、弁当の製造・販売会社で働いていました。 社長の年齢は50歳。
話をすることが好きで、よく社員たちを集めては長々と演説したがり、
人前でカッコつけたいタイプの人です。
従業員は事務員や弁当製造・配達等、総勢40名くらい。
知人の仕事はお弁当の配達でした。
55歳、ラーメン屋の元経営者が転職してきた

社長の学生時代の先輩だという55歳のオジサンが、社員として入社してきました。
その人は、自営でラーメン屋を長いことやっていたそうですが、
経営が立ち行かなくなり店舗を売却したという話でした。
ラーメン屋とお弁当屋さん、同じ食品業界という点と、
社長の学生時代の先輩ということもあり、
会社全体の管理という形で入社したそうです。
知人が最初に55歳のオジサンを見かけたときは、「小柄で年相応だな」と思ったそう。
「誰にでも笑顔で話す気さくな感じがあって
第一印象は悪くなかった」
とも言っていました。
社長の先輩だけあって社長と親しそうなことはもちろん、
パートの女性陣とも話し込んでいて、雰囲気は良かったようです。
ですが、そんな時期も長くは続かなかったのです。
プライドが高く頑固!命令しまくりオジサン

今までお弁当の製造は、男性3人と女性3人でうまくまとまっていたそうですが、
55歳のオジサンがきてから、そのバランスが崩れたというのです。
「いきなりこんな態度が出来る人はそういないよ」
と知人は言います。
というのも入社早々、お弁当の製造スタッフを集めて仕事の指示を始めたそうです。
「私が来たからには改革をしたい」
「以前ラーメン屋を経営していたので、あなたたちの仕事の無駄がわかる」
などなど……。
いきなり上から目線でこんな風に言われたものだから、
今までいたスタッフたちの反抗心に火が付き、ブーイングの嵐が吹き荒れたそうです。
そもそも、ラーメンとお弁当の製造は勝手が違うのは当然。
それを気にしていないのか、自分の力に自信があるのかわかりませんが、
とにかく今までのやり方を変えようとしたそうです。
>>他人の手柄は俺の手柄だ!部下の手柄を横取りするオジサンの話
いきなりやり方を否定され納得がいくはずもなく…

既存のスタッフにとっては、自分たちのやり方を否定されたように感じるでしょう。
それでも55歳のオジサンは、「社長から管理を任されている」
ということもあり、強引に話を進めたそうで、
「ここに無駄がある」
「もっと効率的なやり方でいこう」
など、とにかく指示したそう。
既存のスタッフたちは、相手のオジサンは社長の先輩ということもありますから、あまり強く言えません。
それに、オジサンがあまりにもうるさく言うため、彼の指示に渋々従ったそうです。
肝心の結果が伴わない
そしてこれで結果が出ていれば、まだ良かったんです。
本当に非効率的なやり方のままで、良いはずがありませんからね。
ですが、結果はまるで良くならなかったそうな……。
それどころか
「肝心のお弁当製造の業務が、目に見えて時間がかかるようになった」
というのです。
そして、お弁当製造後に配達をしますが、製造が遅れるため、配達も遅れる。
そうなると当然、お客様の自宅に届くのも遅れる、という悪循環。
配送を担当する知人たちも、
「そのやり方だから遅いんだよ」
と苦情を出したと言っていました。
配送スタッフは、お客様に直接対面する分、
厳しく言われることもあったようなので必死です。
そしてそれを指摘しても、オジサンは態度を改めなかったそう……。
こうして55歳のオジサンたった一人の影響で、
会社の雰囲気は目に見えて悪くなっていったというのです。
>>働かないオジサンにイライラ。Z世代とのギャップ。多様性の時代に歩み寄れるのか?
忘年会ボイコット事件

自分のやり方で進めたのに結果が出ていない。
それならば別のやり方にするなり、以前のやり方に戻すなりできるはずです。
オジサンもプライドがあるのでしょうか。
自分のミスを認めず、それでも意固地になって仕事を進めていったそうです。
このようなギクシャクした状態のまま、忘年会シーズンがやってきました。
忘年会は毎年の社内の恒例行事になっています。
費用は会社持ちということもあってか
「みんなが楽しみにしていた」
と言っていました。
そして話好きの社長は、いつも忘年会で長々と話をするそう。
「それはいつものことだしね。みんなスタッフは気にしてなかったよ」
と知人は言っていました。
オジサンが話をすると分かった途端、手のひら返し
問題は、そのあと。
55歳のオジサンが、忘年会で今後の仕事について話をするとわかった時です。
このことがわかると、お弁当製造の部門の半数が、
忘年会をボイコットして不参加になったのです。
「う~ん。みんなねぇ…あんなに楽しみにしてたのに」
知人は、と嘆いていました。
その後も職場はドンドン雰囲気が悪くなって、
55歳のオジサンは誰からも相手にされなくなったそうです。
「あれだけ張り切っていたのに、猫のようにおとなしくなっていったんだ」
と知人は話していました。
そしてギスギスした関係のまま、 「もっと稼げる仕事が見つかった」と言って、
55歳のオジサンは会社を辞めたのでした。
>>【50代定年前の働き方】キャリアをリデザインして、モチベーションを上げよう!
ITキャリアコンサルタントの佐々木の目

ここからは、僕の私見を話します!
僕が思うに、
「55歳のオジサンは、以前にラーメン店を経営していてプライドが高いのだろう」
と推測します。
以前は自分がトップにいて指示を出していた。
だからそのときの気持ち良さを忘れられない寂しいオジサンなのだろうと。
知人に上記のような僕の考えを話すと、こう答えてくれました。
「確かにそういうところあったね。
今思えば、最初から気さくな感じで話してたけど、結局は上から目線だったのかな。
元経営者だし、偉かったんだろうけど、新入社員って感じじゃなかったよ」
「間違いを指摘しても、絶対に認めなかったしね。プライドが高い感じはあったね」
とも言ってました。
昔は偉かったのかは知りませんが、
ハタから見れば、55歳の単なるオジサンなんですがね(笑)
きっと過去の栄光を引きずっているんですね。
こういう人って多いんでしょうか。
気になって調べてみました。
自分のプライドより、大切なものがあるのでは?
『プライドがムダに高い中高年の末路』という記事を見つけました。
少し手厳しく、グサッとくる内容です。
『都内の製薬会社に勤める50代後半の男性は、
定年後の人生を模索する中で、尊敬する先輩にこう言われた。
「定年を迎えたら、プライドと肩書を徹底的に捨て去りなさい」。
日本のおじさんの最大の呪縛はこの「プライド」という何とも厄介な代物だ。
友人の選挙を手伝っていた女性は、
中高年のボランティアの人たちと一緒に仕事をするうちにあることに気づいた。
女性たちは、おしゃべりを楽しみながら、自然に共同作業を楽しむが、
男性は時々、声がけや感謝の意を伝えないと
「すねてしまう」ところがあったというのだ。
う~ん、プライドが高いオジサンは、たくさんいるんですね。
「元○○会社役員」やめた会社の名刺を配る人も
僕が以前に読んだ本では、
「『元●●会社役員』『元●●銀行常務』などと書かれている名刺をもらい、
何となく悲しい気持ちになった」という話がありました。
過去の栄光がプライドになってしまっているように思えますね。
では、どうすれば良いのでしょうか。
正しい自信を持つ
先ほど紹介した『プライドがムダに高い中高年の末路』という記事に、しっかり書いてありました。
「良いプライド」は謙虚さを伴う。
職人が、現状に満足せずに、つねに高みを目指し、
より良いものを作り続けようとする姿はこの典型だろう。
一方で、自分を進化させていく努力をやめ、
他者との競争や、他者からの承認によって自己の存在意義を求めようとすれば、
そこには最終的に、空虚さと孤独しか残らない。
>>【静かな退職】会社を辞めずに最低限の仕事しかしない働き方・キャリアコンサルタントが解説!
会社の肩書がない自分に何ができるのか
まとめると、このようなことでしょうか。
今回の話に出てきたラーメン店経営者の55歳のオジサンは、
もう経営者ではなくなっていたのですが、
そのころが忘れられないような上から目線の態度でした。
辞めてしまった会社の肩書をいつまでも名刺に入れるオジサンも同じで、
自分自身で誇れるものがないのでしょう。
会社の肩書がない自分に何ができるのか。
こういうことを考え、成長しようとする姿は、若手から見てもかっこいいものですよね!
良い歳の取り方をしたいと思った話です。
ではまた!