こんにちは!ITキャリアコンサルタントの佐々木です。
今回は、働かない妖精オジサンの話をしたいと思います。
僕の実体験を交えつつ話を進めます。
僕は以前、4年ほどコールセンターで働いていました。
僕がいた部署は従業員50名ほどで、そこそこ大きい部署でした。
この後の話がスッキリするように、立場をまとめます。
そして今回の話の主役が、LSVの妖精オジサンです。
当時、50代の男性がそのポジションに就いていました。
「お願いします」と言うだけ妖精オジサン

コールセンターでは、エスカレーションと呼ばれる業務があります。
エスカレーションとは、電話を受けたオペレーターが、
お客様からの質問の答えがわからず、上司に確認する行為をいいます。
オペレーターは自席に座ったまま「お願いします」という声とともに、
手を挙げて上司たちに知らせるルールがありました。
これに対応するのはSVの仕事です。
僕は当時オペレーターで、わからないことがあったので手を上げました。
すると、近くにいたLSVの妖精オジサンがこう言うのです。
「エスカレーションお願いします!」
そして、SVが来てくれて解決しました。
それからまたしばらくすると、オジサンLSVが
「エスカレーションお願いします!」
と言うのです。
気が付いた方もいるかもしれませんが、
オジサンLSVは「お願いします」と言っているだけで、自分ではいかないのです。
僕たちは
「それって何の意味があるの?」
と思っていました。
>>働かないオジサンにイライラ。Z世代とのギャップ。多様性の時代に歩み寄れるのか?
お願いします、と言うだけなら小学生でもできる

念のため言っておくと、エスカレーションはあくまでSVの仕事です。
LSVは、シフト作成やクライアント対応など、
現場の仕事が円滑になるようにフォローする上司といった立ち位置。
つまりLSVは、エスカレーションにいかなくても問題ありません。
じゃあ何で今回のように議題にしたのかというと、イライラするんです(笑)
僕はこう思っていました。
「お願いします、と言うだけなら小学生でもできんだよ」
「僕らより地位が高いから、いい給料をもらっている。
その人が現場より仕事しないで、お願いします、
って言うだけならいらないじゃん」
そうです。この妖精オジサンのコストなど考えると、コスパ悪すぎです。
だって「お願いします」しか言っていませんからね。
普段から何をしているかわからない妖精オジサン

でもこれだけでLSVを、働かない妖精オジサン認定するには早すぎます。
僕が、上司の仕事を見ていないだけかもしれないですよね。
もちろん他にも理由があります。
前述しましたがLSVは2名いて、1名は妖精オジサン。もう1名は、30代後半の女性です。
ある日、LSVの女性にこういう話をされました。
「ねぇ佐々木くん、あのオジサンが普段なにしてるか知ってる?」
「えっ、同じ立場じゃないですか(笑) LSVの仕事してるんじゃないですか?」
「いやいや、ほとんど私がやってるよ」
「えっじゃあ、オジサン何してんですか?」
「それがね~、私にもわからないのよ(笑)」
「・・・マジっすか」
同じ立場で、本来は協力して業務分担をしているはずの人から、
このように言われていたのです。
>>プライドが高い55歳・転職者の末路~あなたは会社の肩書がなくても生きていけますか?
クライアントからも妖精オジサン認定
さらに、他のSVはこう話していました。
「あの人、仕事しなさすぎてさ、
クライアントからも『あの人は普段なにしてるんですか?』
って聞かれちゃったよ」
部下からも同僚からも、さらにはクライアントからも
『働かない妖精オジサン』の烙印を押されているのです。
とはいえ、ここまでは、片方の意見しか聞いていません。
妖精オジサン世代の意見を見てみましょう。
彼らにも言い分はあるでしょうからね。
働かない妖精オジサンは、いてもOK?
今のこの「働かないおじさん」の話に
安易にのせられてはいけないのではないだろうか?
と思うのである。
自分だって、今年、51才。
まわりからは「働かないおじさん」と思われていることだろう。
実際、働かないでお給料もらえるなら、
そっちの方がいいわけです。楽だからね。
※上記の意見は、過去にネット上に上がっていたものです。
リンク先が無くなっていたため、引用元はありません。
なるほど、確かにそうです。
誰だって微々たる給料のために、きついことをしたくはありません。
「じゃあ働かなくてOK」とはなりません。
そんな理由で会社に居られても、周囲が困りますからね。
そして上記の意見は、このように続きます。
たぶん、会社としてトータルで固定費を下げるなら、
新入社員の採用を2〜3年の間0にして、
上の年齢の自然退職が発生する方が、
採用活動コスト、教育コストなどを考えると安いだろう。
これを書いた人は51歳。もちろん、働かない妖精オジサン擁護派でしょう。
まとめると、こういうことです。
でもこれでは、若い世代は納得しません。
そもそも、「なぜ働かないのか」という一番の問題を解決していません。
会社はボランティア団体ではありませんよね。
利潤を追求する組織ですから、
何もしなくてOK、というのはまったく同意しかねます。
働かない妖精オジサンが生まれる理由
一部削除し引用:「働かないおじさん」が生まれる原因は日本型キャリアの構造にあった
なるほど。こう考えると働かない妖精オジサンたちも被害者といえますよね。
会社にいわれるがまま働いてきて、いつの間にか梯子を外されるわけですから。
日本社会の雇用構造そのものが、ひずみを生み出しているのかもしれません。
妖精オジサンにならないために~ITキャリアコンサルタントの佐々木の目
妖精オジサンについて、僕の実体験。客観的な意見も見てきました。
まずは日本社会が、このような構造になっていると認識することが大切です。
そうしないと、自分が年齢を重ねたとき、同じように妖精になってしまうかもしれません(笑)
ただ日本社会もジョブ型雇用へ移行しようと動いてはいます。
政府からジョブ型人事へのガイドラインが発表されています。
>>【人事向け】厚労省がジョブ型人事指針を公開!ジョブ型移行へのガイドライン・事例を紹介
でもこれは、あくまで政府や会社の取り組み。
今いる会社が、ジョブ型へ移行しているかわかりません。

では個人でどうすればいいのか
考えてみました。
こういう記事も書いて、言及しています。
これからの日本は、定年が70歳に延長されるともいわれています。
それに少子高齢化問題もあり、みんなが協力して日本社会を回していかないといけません。
働かない妖精オジサンをいつまでも抱えられる余裕はないわけです。
自発的に生きていけるように、意識から変えていきたいものです。
ではまた!